食事は副交感神経優位(リラックスタイム)のはずなのに…

過食症に陥るのは
何かしらの悩みが食べることに走らせるのが大きな要因。
食べて悩みや不安を解消しようとするのですが
もちろん悩みや不安の根本が解消されるわけではありません。

そのため、食べれば食べるほどいっそう食べるという悪循環になります。

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◇食べることさえも緊張(交感神経優位)な摂食障害




■食べることで副交感神経優位に傾けようとしている??




自律神経の1つである交感神経が、副交感神経より優位になると、
身体の緊張状態が続いて消化機能を抑制されたり
腹部膨満感を感じるなどして、食欲が減退することがある。


交感神経は強いストレスを感じると優位になる傾向があり、この交感神経優位の状態が続くと、
食欲減退のほかホルモンバランスの崩れなども引き起こす。








ストレスがあれば交感神経が緊張し
抱え続ければ交感神経緊張状態が
続く事になります。

食べ物を消化する活動は
副交感神経の領域です。

ですから、消化管を動かすことで
交感神経優位の状態から
副交感神経優位の状態にもっていくことができます。

食べたり飲んだりするとホッとして
それまでの緊張から解放されるのは
副交感神経が働くからなのです。



食事量がいつもより増えるというときは
無意識のうちに交換神経の緊張を解消しようとしているのです。


ただ、ここで重要な問題が。
太ることはストレスです。
特に現代では。


食べている間は副交感神経が働いているけど
食べ過ぎて肥満になれば
それがさらなるストレスとなって交感神経の緊張を招く。
自分の身体そのものがストレスになってしまう。

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■欲求を抑えられると、自律神経のリズムが狂う


人間は、大脳皮質の働きによって、ものを考えたり、感動したり、
記憶を蓄積して将来に起こることに備えたりすることができます。
これらの能力は、他の動物にはないものですが
同時に、自分の本能的な欲求まで抑えることにもなってしまいます。


そして「食べたい」「眠りたい」「愛し合いたい」などの本能的な
欲求や、喜怒哀楽の感情を抑えているうちに、
大脳皮質と大脳辺縁系視床下部の間のコミュニケーションが乱されます。


その結果、本来
順調に働くはずだった自律神経のリズムが乱されることになるのです。


特に、心臓の鼓動や血管の拡張・収縮、胃や大腸の運動、呼吸のリズムなどは
条件反射の結果形成されやすい身体反応です。
不安なときに、心臓がドキドキしたり、呼吸が激しくなったり
ストレスによって胃がキリキリいたんだり、便秘になったりするのは
大脳皮質が 介したり条件反射が働いたりするからです。





■ストレスと食欲


身体にかかるストレスを脳が感じて、その反応として食欲が低下することがある。
身体に強いストレスがかかると、そのストレスで感じた痛みなどが「情報」として神経を通ってストレス中枢である視床下部、室傍核に伝わり、
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)が分泌される。

このCRFによって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌されて、コルチゾールというストレスホルモンが分泌される。
コルチゾールが分泌されることにより炭水化物、脂質、たんぱく質代謝は制御され、
その反応として食欲が低下すると考えられる。

このコルチゾールが大量分泌されると糖尿病や高血圧を引き起こしたり、
骨をもろくするといった病気に悪化することがあるので注意したい。






■ストレスの慢性化がもたらすこと

コルチゾールは、ストレスとたたかうために、とても有用なホルモンですが、あまりにそれに依存することから問題は始まります。
慢性的に、交感神経優位、コルチゾールの分泌が多い状態になりがちです。そうなると、次第に、
細胞がコルチゾールを受け取るレセプター(受容体)がはたらかなくなるのです。
同じ薬を使い続けると、だんだん効かなくなるのと同じようなことです。


 でもストレスとはたたかい続けなければなりません。
そこで、次第に副腎皮質が肥大化し、コルチゾールの分泌がさらにふえるということになります。
コルチゾール多すぎるとコルチゾール・レセプターを弱らせ
、そのことがいっそうたくさんのコルチゾールを必要にさせると言う悪循環が起こるのです。




コルチゾールの乱れ=副腎の異常



ストレスを感じたときCRFが、脳内、
特に視床下部で多く分泌される。

CRF=コルチコトロピン分泌刺激因子が
摂食中枢と満腹中枢に影響を与える。

CRFが低分泌→食欲増加→過食(ストレス食い)
CRFが高分泌→食欲抑制→拒食傾向


図式で表すと、
視床下部→CRF→下垂体→ACTH→摂食中枢」





副腎の疲労を招く、過剰な糖質、お酒を避ける。
バランスの良い食生活を心掛け、ビタミンC,ビタミンB,タンパク質,亜鉛,マグネシウムなどをしっかりと摂取する。

これは、副交感神経の働きを意識的に高めて、交感神経を鎮める方法です。





そうすることで、
ストレス⇒交感神経刺激⇒副腎刺激⇒コルチゾール分泌の流れを断ち切り、副腎を休める効果があります。