摂食障害と窃盗癖クレプトマニア
「過食嘔吐の買い物」と「拒食症の食材の溜め込み」はニュアンスが違うのかもしれない
摂食障害と窃盗について実体験からして考えてみると一つしか思いつかない。
要するに、お金がもったいないのだ。
いつ終わるとも分からない過食症。
どれだけの費用が掛かったら終わる症状なのか。
お金の方が先に尽きるのではないか。
そのためには食べ物をタダで手に入れたい。
この心理は「なるべく低料金で量がたくさんある食材を買おう」という過食嘔吐の買い物の時の延長線上にあるように思う。
損をしたくないというか摂食障害になる人は心配性が多いから、きっと未来への心配を解消するために、お金を節約したいのだと個人的には思う。
不安と心配が過食に拍車をかけるのでなるべき解消しておきたいのだと思うけど、病気である限り不安も心配もなくならないというパラドックス。
だけど、どうやら、節約したいと言う理由以外でも摂食障害+窃盗という組み合わせを持つ人はかなりいるらしい。
そのへんは拒食期間が半年程度しかなかった僕には分からないことで、拒食症の人が食べ物を溜め込むことと、過食嘔吐のために食材を買ってくることは微妙にニュアンスが違っているのではないかと思っているl。
しかしながら、コンビニであるバイトしている時廃棄を大量にもらって過食材料にしたことがある。ので、これはある意味で窃盗の部類にとしてカウントしてもいいかもしれない。
・はじめに
この「窃盗癖」に相当する精神障害として欧米にはクレプトマニアKleptomaniaという病名があり、国内の文献にもクレプトマニア≒窃盗癖というような
解釈がなされている例は少なくない。本書のスタンスは盗みや万引きがやめられないいわゆる窃盗癖者は
「窃盗行為をやめたくてもやめられない」わけであり、当人のモラルや良識の欠如を一方的に糾弾し、犯罪者と同様の処罰を下すのではなく、精神障害を抱えた病者としてみなし対応すべきだ」というものです。
それは同時に、「窃盗の犯罪性を否定するものではない」ということも最初に抑えておきたい重要なポイントです。法的な取締りを強化するだけでは不十分であり、嗜癖治療が欠かせない、というのが、目下の私達が導き出した結論なのです。
■超エリート才女の窃盗癖者ー恵美さん29♀
盗みは10歳の頃から始めています。
最初は祖父のお財布からお金を取っていたんです。
小学校高学年の頃にお店で万引きして2度つかまっていますが、
スリルがあったし、お金を払わなくても商品を手に居られると言うことで、満足感もありましたね。
もちろん、バレたときには親が怖かったです。
それで、祖父のお財布からとるようになりました。この家庭内窃盗は彼女が21歳のときに祖父が亡くなるまで続いた。
ちなみにえみさんの場合、窃盗癖が先で、摂食障害は後だった。
大学4年の頃、失恋をきっかけに、摂食障害が始まった。
ほぼ同時期の祖父の死は、悲しみよりも「もうお金を取れなくなる」ことの不安の方が大きかったという。
◇6章 窃盗癖治療のために②
「どうせ吐いてしまうものにお金を払うのはもったいない」「盗れるのにお金を払うのはバカらしい」などと話す窃盗癖者は多い。
そして、財布に現金が入っているにもたかだか100円の菓子パンを盗むリスクをたび重ねるようになってしまったのだ。
これが当事者以外には一番わかりにくい心理状態なのかもしれない。
(彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか?〜窃盗癖という病〜 河村重実 飛鳥新社)
赤城高原ホスピタルの竹村院長は、摂食障害生理的にいつも飢餓状態なので枯渇恐怖を補うためにため込みマインドが産まれると話した。
http://www.kuunel.jp/word.html?p=14832963
「絶対に食べたくないけど、飢餓に備えていることで安心感がある」という心理が、食べ物の溜め込みを行う心理なのかもしれない。
一番愛しいものは一番憎いもの。
愛することと憎むことはつまり構成しているものは同じ事と気づきながら。
■医学モデルの徹底を
摂食障害になる人は全般に規範意識が強いので
ドタキャン、トイレ詰まり、万引き、といった「迷惑行為」を自分がしてしまったという事実は深いトラウマとなる。
これらの行為は、一般に、相手にとってのトラウマと言う観点から語られることはあっても、本人にとってのトラウマという視点は欠落しており、
一方的に非難される立場に置かれる事がさらなるトラウマを与えることもある。
規範意識が強いので「過食」「万引き」をしてしまった自分に対する罪悪感が次の過食や万引きを生み出すという悪循環を断ち切るには医学モデルでのアセスメントが欠かせない。
(ただしアセスメントといっても受けるべき社会的懲罰はしっかり受けるべき棚のは当然である。)
- 作者: 河村重実,竹村道夫
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