お腹の不快感からの摂食障害ってけっこうあるパターンだと思う








○お腹の不快感→食べれない→飢餓→過食→嘔吐


彼女はある日、奇妙な“お腹の張り”を訴えた。
食欲もなくなり…無理に食べようとすると吐いてしまう。

おなかに不快感を感じると、食事が不快になる。
不快なものは遠ざける。
食べないのが最も楽なんだから。


ところがある日、彼女は急に食欲が湧くようになり、たくさん食べられるように。
父親は喜んだが、世余の食欲は異常だった。
気づけば、大人5人分の食事を1日8回も食べるようになっていた。


しかし、人間は食べて生きる生き物なので、食べることをしないでいると、それを補うように食べたくなるときがいつかくる。
いままで食べなかった分を補うように身体が食べ物を求めてくる。
もちろん、食欲がちょうど良い所を忘れてしまって食べ過ぎてしまうって言う要素もあるけれど。

食べない状態を続けていると「どれだけ食べて満足していたか?」ということは、わからなくなってしまう。


彼女はおもいっきり食べると、食べた物をほとんど吐いてしまう。
そして、吐いた後はまた猛烈な空腹感に襲われ、その欲求を抑えられず食べてしまうのだった。
その繰り返しで、栄養はほとんど取れず体重も増えない。まるで拒食症の過食嘔吐の状態。

吐いた後に空腹感があるのは、やっぱり血糖値があがらないかインスリンが効きすぎてしまっているか。
いずれにせよ機能性低血糖症の兆候が彼女にはあるのではないか。
だから、食べないで居ると低血糖に陥って意識がなくなってしまう。


そして、もう一つ思うのは、「お腹のハリ」という拒食状態を生んだ問題が解決されていなければ、
食べるようになったとしても、お腹の不快感計らわずあるのだから、不快感を解消するために嘔吐をしてしまうのも、ある意味で当然のように思える。




食べて吐いてを繰り返す彼女は、今もやせ細っている。
15歳で身長150センチにして体重はわずか30キロ。
病院での診断も『精神的なもの』と言われただけで詳しいことはまだ分からないという。


「お腹のハリ」を生み出す要素として「精神的名なもの」が関わっている確率は高いでしょう。
しかし、そこに集約してしまうと、正直、母親も居ない父親も実の父じゃない、お金もない、という家族の状態においては、回復が見込めないことになってしまう。







だが彼女の場合、『痩せたい』や『太りたくない』わけではなく『空腹に耐えられない』という感情でたべていた。


空腹に耐えられないのは、血糖値の問題でしょう。恐らく。
あるいは、精神的な無力感みたいなものを抱えているのかもしれない。(母はいないし父は本当の親ではない。山で捨てられていたという傷が嘔吐を引き起こしていないともいえない)


ただ、摂食障害の全てを「痩せたい病、親子関係」に集中させてしまうのは、治療が遅れる原因にもなりかねないのではないかと、これからの飽食社会では危惧している。


食べても食べても血糖値が上昇しなければ、食べないで居ると意識が飛んでしまう。
お腹の張り問いストレス症状なのかあるいは胃下垂という体質の問題なのか、あるいは炭水化物ばかりを摂取していると低血糖症になって過食してしまうのか…

摂食障害には考えられる原因が多すぎる。
先進国に住んでいない限りは、その多すぎる原因を検討することすらできないだろう。


(いやそもそも、”贅沢病”なんていうくらいだから、貧しい場所では起こらない病気のはずなんだけど…先進国になるほど痩せている=女性の地位が高いという図式になるのであって、貧しい農村でそういう価値観が根付いているとは思えない。となると、内臓系の不全か、山に捨てられていたことが問題になる、のかもしれない。。。。)
















○嘔吐を「内臓のつぶしあい」という視点で見てみるーー胃下垂と嘔吐



オシドリさんはやや小柄で、華ある表情が印象的な20代の女性でした。

オシドリさんの悩みは「嘔吐」。食事をするたびに食べたものを吐きます。
よくダイエットしすぎで拒食症になった方が食後に吐きますが、そういうのとは違い、
まったく自分の意思とは関係なく食べた物のほとんどを吐いてしまいます。


体つきはといえば、肋骨はほとんど骨と皮だけ。

おなかは深く大きく全体的にえぐれた状態になっています。お顔だけがややほっそりとはいえ、
穏やかで華やかな表情をされているので、その差がより際立つほどの痩せこけ方でした。


ご夫婦で自営業をしていたオシドリさん。奥さんは経理担当でしたが、ほとんど仕事ができず。
それもそのはず、朝ごはん食べてもすぐ嘔吐。お昼ごはん食べても吐き、
夜ご飯食べても吐く。かならず嘔吐するのでだんだん食べるのが怖くなり、お昼は抜き、
朝夕だけのご飯も量を減らしますが、それでも吐く。本人はもう食べるのが怖いし、
本当は食べたくないけども、生きるためには食べないといけないから最小限を無理やり
たべる。でも吐く。そうしてどんどん体が痩せこけ弱ってきたそうです。


明るく快活なオシドリさんの人柄に僕も周りも救われてましたが、
食べるのが怖いという生活は、ある意味地獄だったと思います。

もちろん病院にも色々通い、様々な検査をしたけれど、異常が見つからず、出された薬
を飲んでも状態は改善せず、途方にくれていたところでわごいちの「おなかの整体」を
知り、切羽詰った状況で飛び込んでこられました。




嘔吐っていったら、軽く見てしまいがちですが、人間栄養を取らないと死ぬんです。
(ウンチがでなくても死にます。)人が死ぬって言うのは、なにも癌や心筋梗塞だけ
でなく、胃腸が止まると死んでしまうのです。

実際オシドリさんも、毎回整体に付き添ってこられたオシドリ旦那さんも、
言葉には決して出すことはなかったのですが、「死の影」を感じておられたと
思います。ご夫婦と僕の3人が、それぞれ相手の立場を気遣って口にださないけど、
心の中では迫りくる「死」に怯えていた、そんな状況で整体が始まりました。




オシドリさんの胃がおへその辺りまで下がり、腸の渦に「ズボ」っとうまっていることを。
しかも埋まっているだけでなく、埋まった胃をとりまく腸が、獲物を締め上げる蛇のように
胃を縛り上げていました。さらに悪いことにその腸と胃が癒着しているのです。


胃に食べ物が入ってきても、周りから腸が締め上げるので、食べ物を抱えていることができません。

そうなるとそのまま十二指腸に流すか口に逆流させる(つまり嘔吐)しかないのですが、多分胃の出口もきつく締め上げていたのでしょう。
それで腸にも流せず、やむなく口に逆流させたんだと推測できました。



そうとわかれば、あとは胃にへばりついた(癒着した)腸を1本ずつはがしていき、
胃を腸の束縛から解放し、元の位置にもどすだけです。

徐々に徐々に、胃は元に戻っていきました。

それと共に、オシドリさんの嘔吐はなくなっていきました。




僕はこの一件で、本当にいろいろなことを学びました。
整体師の心構えから、自分の技術の課題から、整体という仕事の喜びから。

それと同時に「胃下垂の怖さ」というものをつくづく思い知らされました。
(わごいち 胃下垂 で検索!)














◇平成25年5月29日 世界仰天ニュース 拒食症 その②



■ザ!世界仰天ニュース

http://www.ntv.co.jp/gyoten/
2013年5月29日(水) 21時00分〜21時54分
2011年、中国の北東に位置する農村部、重慶市雲陽県。
山奥の貧しい村に住む向 世余(シャン・シーユー)さん、14歳。


彼女はある日、奇妙な“お腹の張り”を訴えた。
食欲もなくなり…無理に食べようとすると吐いてしまう。
病院にも行ったが原因はわからない。

まともな食事が取れない日々が半年ほど続き、父は大変心配した。

ところがある日、彼女は急に食欲が湧くようになり、たくさん食べられるように。
父親は喜んだが、世余の食欲は異常だった。
気づけば、大人5人分の食事を1日8回も食べるようになっていた。
空腹に耐えられなくなり、ひたすら食べ続ける世余・・・
その一方で、彼女は一向に太る気配はない。

一体なぜ?


そこには、ある秘密があった。
彼女はおもいっきり食べると、食べた物をほとんど吐いてしまう。

そして、吐いた後はまた猛烈な空腹感に襲われ、その欲求を抑えられず食べてしまうのだった。


その繰り返しで、栄養はほとんど取れず体重も増えない。まるで拒食症の過食嘔吐の状態。

だが彼女の場合、『痩せたい』や『太りたくない』わけではなく『空腹に耐えられない』という感情でたべていた。


彼女自身も父親の事を考えると食べるのを止めたかった。
しかしある日、父親が家に戻って来ると、シーユーが空腹に襲われ、耐えきれず気を失って倒れていた。
やがて「1日8食の大食い少女」と、小さな村では知らぬ者はいなくなった。
2012年11月大食い少女としてテレビの取材が来た。
その大食いっぷりが大反響を呼び、なんと重慶の病院がシーユーの治療に名乗りを上げた。


仰天スタッフは、シーユーの元を訪ねた。
彼女は、3月まで病院で治療を受けていたが、今は自宅に戻っていた。
現在の彼女の食欲は前とあまり変わっていなかった。
今も1日8食は食べてしまうという。

食べて吐いてを繰り返す彼女は、今もやせ細っている。
15歳で身長150センチにして体重はわずか30キロ。

病院での診断も『精神的なもの』と言われただけで詳しいことはまだ分からないという。


父は娘のために何の治療をさせたらいいのか分からず悩んでいた。
彼女はどんな生活をしているのか!?ご飯に必ず混ぜるのがトウモロコシを粉状にしたもの。
これは量を増やすためである。朝6時、1回目の食事の日のメニューは玉子スープとご飯。

食器はなんと洗面器。朝食を黙々と平らげ15分で完食すると、今食べたものをほとんど吐きだしてしまう。
これを毎食、計8食繰り返した。稼ぎは、ほとんど食費で消えていき、家計は苦しいが、食べさせないわけにもいかない。

娘を献身的に支える父には驚きの事実があった。
なんと彼女は生後数日で山にすてられ、見つけたミンタンさん(父)が育ててきたのだという。