男性は社会的地位、女性は見た目、を求める社会だから



◇社会(みんな)から求められる素養の男女差



摂食障害

それでは、なぜ女性はダイエットに走るのか
もちろん男性がダイエットしないとは言わないが、
あきらかにそこに懸ける熱意が違う。


拒食症のように、体重減少そのものが自己目的化
(痩せるために痩せるようになること。お金を貯めるためにお金を貯めるという目的が分からなくなること)
していくような痩せ方は、あきらかに女性のほうに圧倒的に多いのだ。

たしかに、「痩せている方が異性にモテる」という事情はあるだろう。


しかし、異性への魅力だけが理由なら、男性だって痩身の努力はするはずだ。



いまのところ、男性は、太っていると言うだけで、
いきなり社会的敗者扱いはされない。


肥満キャラとして知られる成功者の例も少なくない。
しかし女性の場合は、太ってしまうことで被る損失が、男性よりもずっと大きい。
肥満は女性の世俗的幸福のチャンスを決定的に遠ざける。


少なくとも、そのように強く信じられている。


「痩せていること」への社会的プレッシャーは高まっていく。

そういうプレッシャーが高い頃に問題が生じやすいのはひきこもりと同じなのだ。


摂食障害がひきこもりと似ているのは、「やせ願望」が、世間の視線や同調圧力として、
多くの女性に内面化されてしまっている、という点だ。
女性が痩せているかどうかを気にするのは、実は男性よりも女性からの視線ゆえである。

たとえば、女子病棟で起こる若い患者同士のいろんなトラブルをみていると、
同性からの視線がかなり大きな意味を持っているらしい。






■男は閉じた脳、女は開いた脳
開いた脳は
他人の目に自分がどう映っているかをたいへんに気にする。
自分にもっと注目して糒、
自分をもっと愛して糒という願望が
強く、そのため周囲の評価に非常に敏感に反応するのだ。


そして、いつもコミュニケーションの輪の中にいないと
いつかみんなから仲間はずれにされたり愛されなくなったりするのではないかと
しきりに警戒する。


そのため、コミュニケーションが途絶えることが不安なのだ。
だから、この開いた脳は
人間関係がうまくいかなかったり
他人から思うような愛を受け取ることができないと感じたりすると、
コミュニケーションの回復を求めてわざと他人に心配をかけ
他人の目をひきつけるような行動を取ることがある。


つまり、開いた脳はおしゃべりのない世界では生きていけない。


女にはコミュニケーションをとることのできる世界があることが必要不可欠であり
だから自分の属するコミュニティをなかなか離れることができない。
さらに、こうした「他」に向かって開いた蛍光は
心の病気にも顕著に表れる。



女が拒食に走ったり
リストカットをしたりして他人の目をひきつける行動にでるのも
「他人の目に縛られた脳」を持っていることが関係しているのでは。