視床下部の不具合と摂食障害の関連についてのキュレーション
摂食障害は基本的には脳機能、特に視床下部機能の異常。
視床下部が原因だとすると、摂食障害の人が、すごく寒がりだったり頻尿だったりするのも納得できる。
というのも食欲中枢が弱い人は、まず自律神経も弱いので、
睡眠障害や性的異常も起きやすい。
摂食障害とは生理的には、視床下部の満腹中枢か空腹中枢に
一時的な異常をきたしているか、あるいはそのあたりの発達が充分でないため
比較的小さなストレスでも調節がうまく取れなくなってしまう病態が基本に違いない。
いくら大きなストレスがかかっても、この中枢が丈夫ならば摂食障害という形で病が現れるはずがない。
重篤な「視床下部の機能不全」といえる状態に陥ってしまうかもしれない。
視床下部症候群とは
視床下部には、内分泌機能、自律神経機能、体温調節、摂食・飲水・睡眠・情動行動など多くの機能の中枢が存在します。
このため、何らかの原因でこの部に病変を生じるとこれらの機能に障害を呈します。
これらを総称して、「視床下部症候群」といいます
さらに神経性食欲不振症、心因性多飲症、心因性無月経などを広義の視床下部症候群として加えることもあります。
■視床下部性肥満
食行動調節などエネルギー代謝調節機能を有する視床下部の器質的および機能的異常によって生じる肥満を視床下部性肥満と分類する。
飽満中枢である腹内側核の破壊が過食と肥満をもたらし、一方、摂食中枢である視床下部外側野の障害はやせを引き起こします。
末梢組織からのレプチン、インスリン、グレリンが視床下部に働き、最終的に食欲および食行動を変化させ、
また同時にエネルギー消費にも変化が起こり、肥満ややせが起こると考えられています。
視床下部性やせ(るいそう)が起こることもあり、飽満中枢(満腹の信号)の腹内側核に対し、
摂食中枢(空腹の信号)は外側核に存在し、摂食中枢の障害はやせを引き起こします。
※視床下部腹内側核
視床下部の腹内側核の部分で満腹感を指令し,食物摂取を停止させる機能をもつ.
まず男性は、視床下部にある「背内側核」という部分で性的興奮を感じます。
しかし女性は、その「背内側核」だけでなく、「腹内側核」という部分でも性的興奮を感じるのです。そしてこの「腹内側核」という部分には、食欲も一緒に感じる働きがあるのです。
多少ややこしいのですが、ひと言で言えば、「女は、性欲と食欲を感じる部分が近い」ということ。
そのため、「性欲が満たされれば、食欲もある程度満たされたように感じる」ということになります。
実際に女性は恋人ができると、性的にも満たされ、気持ちが落ち着きます。
その結果、食べる量も減って、どんどんやせて綺麗になるわけです。逆に恋人にフラれたり、またはさびしいときに、ヤケ食いしてしまったりした経験はありませんでしょうか。
これは、性的な興奮が得られなくなったため、かわりに食欲でその部分を満たそうとしてしまっているわけです。
視床下部性肥満では食行動調節以外の視床下部機能にも障害が及び、肥満以外の種々の症状を示す。
主なものは
1)不眠症を含めた睡眠覚醒リズム障害、2)変動体温(poikilothermia)などの体温調節異常、3)内分泌異常
■肥満について
1.下垂体を全部摘出してしまったとき,あるいは視床下部の障害によっておきます
2.視床下部性肥満 hypothalamic obesity ともいわれます
3.この場合は単なる過食ではなくて,視床下部のエネルギーバランスの調節障害ですが,はっきりした原因は解っていません
4.グルコース(糖分)のホメオスターシス(意識しなくても体が自然に調節してくれること)がくずれています
5.視床下部の障害は摂食障害を生じることがあるのですが,脳腫瘍の場合は不思議なことに,過食になったり拒食になったりすることが少ないです
種々のホルモン検査の結果、無月経の原因が視床下部の障害によるものであると診断されても、
なぜ視床下部が障害されたのかわからない特発性視床下部性無月経も少なくありません。
特にダイエットをしたわけでもなく、強いストレスにさらされたわけでもなく、また、
過度な運動を繰り返しているわけでもないのに、視床下部性無月経になっている例です。
■クライン・レビン症候群症候群
過食と傾眠発作を繰り返す症候群である。
若年男性(10-20歳)に好発する。
攻撃性亢進や性行動異常など精神科的症状を示すことが多い。視床下部および他の脳部位の機能異常と考えられる。
特に、摂食促進物質であるオレキシンのノックアウトマウスに傾眠発作を認めることから、同症候群に対するオレキシンの関与が注目されている。 強度な睡眠衝動を起こす点ではナルコレプシーに似ているが、非常に長期間にわたり継続する点が異なる。
発病者自体が非常に希で、1000例程度の報告例しかないため、
原因は特定されていない。
最近では女性例も報告されるようになり「眠り姫」として報道される例もある
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