貯蔵鉄(フェリチン)が溜まるまでは…

残念ながら、多くの日本の医療現場では、
フェリチン値まで調べることがありませんから、見逃されてしまいます。

ヘモグロビンが基準値内でも、
フェリチン値が低値では強い貧血の症状がおきます。










◇鉄の供給の優先順位



フェリチンは、鉄と結合して肝臓や脾臓・骨髄などの全身に貯蔵鉄として存在しています。
血清中の鉄が減少してくると、フェリチンはトランスフェリンに鉄を供給し、多くなると、トランスフェリンから鉄をもらい貯蔵します。
要するに、鉄を保管している倉庫の番人みたいなもので、血清中の鉄の増減をうまくコントロールしてくれています。
(血液中の鉄を優先して鉄は供給されて、血液中が満たされて始めて、貯蔵鉄に鉄が溜まっていく下地が完成する)





■貯蔵鉄が溜まるのはヘモグロビンと血清鉄が溜まってから!


鉄欠乏性貧血はまず、このフェリチンからなくなっていきます。
フェリチンの減少→血清鉄の減少→ヘモグロビンの減少というふうになります。
ですから、このフェリチンを検査すると、表向きは貧血でなくても、
いずれ貧血になる可能性がある、かくれ鉄欠乏症(潜在性鉄欠乏)が分かります。




※店頭の商品(Hb、Fe)、バックヤードの在庫(貯蔵鉄・フェリチン)


まず、商品はお店に陳列しないといけない。
そうしないと、お客さんに売る商品がない。


お店(ヘモグロビン)に商品が充実するようになってから始めて、
バックヤード(貯蔵鉄)に商品を溜めて置けるようになる。



お客さんを招くためにはまず、店頭に商品が無いといけない。
生きていくためにはまず、血液に優先的に鉄は使われていく。








■フェリチンの重要性



実はこのフェリチン濃度が問題なのです。

フェリチンとは肝臓や脾臓に保管されている貯蔵鉄の事。
ヘモグロビン生成時に血液中の鉄が足りなくなると放出されます。



ですから赤血球数やヘモグロビンの値で貧血と判断された時は、
貯蔵鉄は底をついた状態。


その前段階の赤血球数やヘモグロビンが正常値、
でも貯蔵鉄であるフェリチンが少なくなっている状態を「潜在性欠乏性貧血」と呼ぶのです。

鉄欠乏性貧血は30代女性では10人に1人、40代女性では7人に1人
潜在性鉄欠乏貧血を含めると6割といわれています。




確かに若い頃から顔色は良い方でなく
爪を割れやすく、疲れやす方ではないものの
手足の冷えなど、該当項目は沢山ありです。


貧血とは、血の量(血の量=循環血症量)が少なくなったわけではありません。
血液中の赤血球やヘモグロビンなどの量が不足して、身体が酸素不足になった状態です。



※循環血症量が減少した場合には血液がうまく身体の末端や必要な場所に送り込まれずに冷え・むくみ・たちくらみなどが起こる。これは脳貧血(起立性低血圧)と呼ばれる。







原因には鉄欠乏性不良性貧血、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血などに分けれれますが、
95%は鉄欠乏性の貧血です。



爪にも変化が表れ、白っぽくなったり、割れやすくなったり、表面がでこぼこになったりします。
更に貧血が進むとスプーン爪という爪の中央部がへこんだ状態になります。


酸素が足りないので、ちょっとしたことで動悸、息切れ、疲れやすくなります。
めまい、立ちくらみ、肩コリ、冷え、のどのつかえ、頭痛、倦怠感、脱力感
枝毛が増えたり、湿疹ができやすくなったり、寒さに敏感になったり、
肌がカサカサになることもあります。











■貯蔵鉄が溜まるまでがんばろう!


たとえ、ヘモグロビンの数値が1ヶ月で改善したとしても、
貯蔵鉄が十分回復するまでは数ヶ月あるいは数年、治療を続けましょう。













■ヘモグロビンだけではわからない隠れ貧血

鉄は身体の中では80%が赤血球の中のヘモグロビンとして活動します。
そして、残りの20%は脾臓や肝臓などにいき、「貯蔵鉄」として分けられます。

肝臓や脾臓に存在する貯蔵鉄は要はストックです。

いつも保存され、栄養が不足したり出血が増えたりして、
ヘモグロビンが減ったときに出番となります。

そして、貯蔵された鉄を使ってヘモグロビンが生産されます。

このため、体内で鉄が不足していても、すぐにはヘモグロビンの数値が低いことにはならないのです。

この、貯蔵鉄が減ってしまっている状態が「隠れ貧血」です。

(発酵ヘム鉄のすごいチカラ 白坂龍雄 ぶんぶん書房)より



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