吐けるまで詰め込む過食嘔吐者における胃拡張の負の連鎖について
けれども、過食の量をよくよく考えてみると
心理的な原因があったからといって
それまで人並みの食事をしていた人々の胃袋が突然これほど大量の食べ物を受け付けるようになるとは
どうしても考えにくい。また、過去に心理的な問題があったり、
愛情不足があったとしても、
それらがある年齢に達すると突然「過食」となって個人に再来するわけではないだろう。
(摂食障害の語り 〈回復〉の臨床社会学 中村英代 新曜社)より抜粋
- 作者: 中村英代
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◇胃を広げるだけの簡単なお仕事です
『満腹も満腹感も無い。
唯一、食べるのを止めるタイミングがあるとしたら、それは
「吐ける!」っていう感覚が湧いてきて嘔吐する瞬間。』
こんなことを続けていれば、
食べれる量は増えなくても、胃に入れることの出来る食べ物の量は増えていくばかりで、
胃の大きさもどんどんと増えていくでしょう。
■胃に居場所を奪われたのは心も体も人生も一緒
そうなると、胃が他の臓器の居場所を奪って、他の臓器の適切な働きを奪う。
そうして、日常生活の質が落ちることによって、
過食や嘔吐の頻度と衝動が増える。
過食症と肥満恐怖、そして胃拡張の負の連鎖は、
止まることなく続いていくことになる。
可能であれば、負の連鎖は、
泥沼の前に回避していただきたい。
できなかった先輩達の苦しみを、わざわざ受け継ぐ必要はないんだよ。
胃拡張のダメージ度
■胃の不快感→胃下垂→胃拡張
「胃の弱い人は食欲が減退し、体の力がだんだんと弱まってきます。食後がつらくなってくると、
そのうちに食べるのが怖くなってきます。そして体はすっかり弱ってしまう。」
「胃下垂になるとたくさん食べても太らない、という説もあり、胃下垂をうらやむ風潮もありますが、胃下垂は胃下垂で大変です。
というのは胃下垂とは胃が不自然に伸びた状態です。下垂と言いますが、実際には伸びているわけです。」
「胃拡張とは胃にガスがたまって胃が膨らんでいる状態。胃下垂の人の多くは痩せ型が多いのに対して、
胃拡張の人の多くはやや太り気味の人が多いのも特徴です。」
「肝臓は胃の右側。腎臓は胃のやや下の後ろ。脾臓と膵臓は胃の左の裏側にあります。まず胃のガスが、それら周りの臓器を圧迫し、弱らせます。
さらに腸のガスが下から突き上げるように圧迫を加えます。かくして腎臓・肝臓・膵臓・脾臓などはだんだん弱っていくのです。」
「胃が下がることで、胃より下にある臓器は圧迫され、胃より上の臓器は牽引され、
臓器は窮屈な状態になって、正常な働きができなくなっています。それらの反応で身体に痛みなどの症状として不調が現れてきます。
胃下垂による圧迫・牽引の負荷を取り除かなければ、症状の完治ができないからです。」
「胃が不自然にのびている状態の時、胃の壁には強いストレスがかかっています。本当は伸びたくないのに、
無理やり伸ばされているからです。そしてそのストレスが胃炎や胃潰瘍や胃癌となって出てくるのです。」
「胃が虚弱になれば食べ物の消化がうまくいかなくなるし、腸が弱れば食べ物の吸収ができなくなります。
もちろん排便にも支障をきたします。腎臓が弱れば、血液の浄化ができなくなり、体全体の血液が老廃物だらけのドロドロになります。
また肝臓が弱って腫れれば、体全体が重だるく倦怠感を覚えます。」