捨てたい病気と、捨てられない自分



◇身体のチェンジで人生も好転すると思っていた




■捨てたいものは捨てられない。

生まれたからには死ぬまでは生きているんだろうけど、
それは生きているのではなく、壊れたプレイヤーと同じように
ただ「ある」だけかもしれない。

人間の場合、壊れたからと言って簡単に捨ててしまうわけにはいかない、
という消極的かつ否定的な理由によって。

(雨の日のイルカたちは 片山恭一 文藝春秋






とにかく何もかもが面倒くさい。

生きること。悩むこと。考えること。
喜怒哀楽の感情やなんかも。

みんな面倒くさいから
お酒を飲んでついでに薬も飲んじゃおう。

苦しいのは一時で、それを過ぎれば、何も感じなくなる。
何も感じず、何も思い煩わず、すべては完全な無。

いまだって似たようなものだけど。
それならわざわざ死ぬ必要もないんじゃないか、と考えるのも面倒くさい。

(雨の日のイルカたちは 片山恭一 文藝春秋





■捨てたくないものばかり残っている

摂食障害は、どうみても基本的には
脳機能とくに視床下部機能の異常だよ。

摂食障害とは生理的には、視床下部の満腹中枢か空腹中枢に
一時的な異常をきたしているか、あるいはそのあたりの発達が充分でないため
比較的小さなストレスでも調節が
うまく取れなくなってしまう病態が基本に違いない。

それに、食欲中枢が弱い人は、まず自律神経も弱いからね。
睡眠障害や性的異常も起きやすい。

摂食障害病棟 大谷純 作品社)






性的欲求不満を抱える女性が満腹中枢を満たしたくなると言うのは
すべての女性に当てはまると言うわけではありませんが
視床下部が性行動と摂食行動の両方を司っていることからも説明が付きます。

性的欲求不満という「ストレス」を溜め込んでしまうと、
視床下部の指令系統に誤作動が生じ、食べ過ぎや食べなさ杉といおう、
いわゆる「摂食障害」になりやすいということが
いえるのだと思います。

私たちは日々の生活の中でさまざまなストレスを感じながら生きています。

身体はそうしたストレスに反応しながら、
肉体的にも精神的にも常に良い状態を保とうと、
日々ベストを尽くしているのです。

(体温を上げると健康になる 斉藤真嗣 サンマーク出版