愛情の枯渇か、ホルモンの欠乏か
心の寂しさvs恒常性の不適切
摂食障害=心の病説
■摂食障害は心の障害
福島県立医科大学の香山教授によると
摂食障害は単なる脳における摂食機能の障害という問題ではなく、
深い心の問題に起因することを指摘しています。すなわち、摂食障害の根源的な原因としては
幼児期から成長期の大切なときに
家庭内のトラブルで親の愛情を受けることができず、
心の安堵感が得られないっまあであるという不安感が根源にあって、
それが心の奥深いところで
トラウマとなって残っていると考えられる。そうした不安から逃れるための手段が
拒食であったり、過食であったりするのです。摂食調節に関与する脳内物質を分布したり、分泌状態を調整しても、
摂食障害は治癒するものではありません。
むしろ、そのような異常行動を直接操作するようなことは
厳重に慎むべきです。あくまでも、根本的な不安感を取り除くしかありません。
そうでなければ、その行動的手段は、拒食・過食からリストカットなどの
他の行動に依存するだけでしょう。
香山教授は
論文の最後の方で
「そのやっかいなものを捉え、癒すために一番必要ななものは
心と心の温かいふれあいである」と強調し、
「摂食障害は摂食調節の障害ではなく心のつながりの障害である」
(「おいしい」となぜ、食べすぎるのか 山本隆 PHP)
ホメオスタシスの是正という視点
■カウンセリングならともかく…
コルチゾールやアドレナリンは血糖値を上げるだけではなく
体温を上昇され、筋肉をこわばらせ
動悸や手足のしびれをつくる。B子さんは
夕方や深夜にジェットコースターで突き落とされたような恐怖を
味わっていたのは
その感覚はこれらのホルモンが血糖値を維持するために大量に分泌されたことが
原因と考えられた。これらを医師が内科的に見ることは不可能。
不安や恐怖、興奮などの精神障害は生育暦やストレスが原因の
精神症状であり、精神の専門家である精神科医が薬を用いて治療する対象であり、
それらの症状にはビタミンなどが関係する酵素の機能低下などが関与しているものではない…という
固定観念から抜け出すことは不可能なのだ。
(私から言わせてもらえば、生育暦やストレスが原因の症状に、どうして
投薬治療なのか説明を聞きたいぐらいなのであるが…)
中学二年の入院時から、学校生活だけでなく、
同年代が経験する様々な出来事を経験せずに闘病していた。
全ての投薬が不要になったとき、B子さんは
多くの薬を飲んでいた当時の事はあまりよく覚えていないと話すが
この数年間の治療は
彼女の人間性すら失いかねない治療法であったのではないだろうか。
(子どもの「困った」は食事でよくなる 溝口徹 青春出版社)