満足できない・我慢できないのは意思の弱さ??





過食嘔吐のE子ちゃん(19才)の話

E子ちゃんが食べて吐くのはいつも夜で
それ以外のときは、太りたくないのと、
食べだすととまらなくなるのが恐いので、ほとんど食べません。


E子ちゃんは、太りさえしなければ、それでいい、
と思っていました。
でも、ゆりさんの意に反して、
吐いているのに体重はだんだん増えていき、
イライラ、うつ症状、慢性疲労、冷え、不眠、便秘、湿疹などが悪化し、
体調が日に日に悪くなっていきました。


朝も起きられず学校も休みがちになり、勉強にも集中できないので、
看護の専門学校を休学することになりました。


睡眠時以外は食べ物の事が常に頭から離れません。

我慢しているから、いつも食べたい。
でも、過食にいなってしまうから、食べるのが恐い、
そして、太りたくない…。








「食べることが治療」の本当の意味




■理性は本能に勝てる?



問題は「過食」と「拒食」の両側でした。
太りたくないから食べない、
でも食べないで我慢しているといずれ我慢も限界となり
過食をしてしまいます。


食べることを我慢し続ける限り、正常な身体の状態を保つために、
身体は常に栄養を摂取するように訴えかけてきます。

なので、ご存知の通り、拒食の反動はいつか必ず起こります。
そのあと必ず過食になります。


この場合、食べることが過食を治す近道なのです。


食事指導として考えられるのは
「食べたくなくても食べる」「過食は我慢しない」という指導。







■納得できない栄養摂取は身体からの要請


やけ食いをしてスッキリしたという経験は、
誰にでもあると思いますが
それが一度だけでなく、ズルズル続いてとまらなくなり、
習慣づいていしまったら完全に摂食障害です。


自分で納得して太ってしまうのはまだしも、
「絶対に太りたくない」と思っているのに
ズルズル太ってしまい、
それを気に病むと
うつになりやすいとも言われます。

痩せたいと強く思う人に限ってやけ食いをして
結局、摂取カロリーの量が増えるという悪循環に陥ってしまい、
それが講じると過食症という病気になってしまうのです。






■過食ではなく多食


食事制限が解除された後、過食症者の多くは食べ始めると
やめられなくなり、過食となります。


その後も長い期間、
食事後でも強い空腹感が残り、
不安定な感情と行動が起こる。
飢餓状態に引き続いて完全な過食症が発症する。


この過食は、飢餓によって適切な健康体重以下に
体重を落としたことに対する脳にある視床下部の反乱である。


足りなかったものを補充しようとする行為(多食)を嫌って、
そのあとに、嘔吐なりり拒食なりをしてしまうと、
やっぱり足りてない者は満たされていないので、
過食症堂に襲われる…というループにはまったまま、
人生とお金と健康を無駄にし続けますか??






■「意思の弱さ」ではなく「身体の生きようとする要求」



視床下部には摂食中枢と満腹中枢があり、食欲をコントロールしている。
ダイエットを強く続けたあとは、
ふつうに食べるようになっても、
視床下部は飢餓状況がやがて再来するだろうと恐れる。


食べても食べても視床下部は摂食中枢を刺激し
空腹感を与える。
肉体的には満足できていても
視床下部は安心できないので、食べ続けてしまう。
いつ食糧難が襲ってくるか、脳が心配しているからだ。



反動の過食を
本人がコントロールできない理由はここにある。









おわりに


過食そのものは
誰でも治療を始めてすぐに収まりません。
過食をする場合にも甘いものではなく
まずはタンパク質や食物繊維などを選びましょう



食べる量を制限しないことである。
そして、その食事で太ったとしても
今の自分には必要な事象なのだと納得することである
アルコール依存の場合には断酒が必須だが
食べ物は食べないわけにはいかない。
食事量をコントロールしようとすると
その反動で過食が起こる。




いわゆる不定愁訴の多くは
実は栄養失調が原因であることが多いのです。
さらに、タンパク質やビタミンB群・鉄などの不足は
代謝の低下を招きます。
つまり、太りやすい体になってしまうのです。