胃腸の不快感と過食嘔吐




◇プロローグーーモノローグ(独白)



吐きたいと思うのは
胃に不快感があるから。



胃の調子があきらかにおかしくて
胃が重たくて消化が苦しくて、
そういうときに楽になりたくて吐く。






食べることは
本来は楽しいことでリラックスできる行為、つまり副交感神経が働くはずだけど
食べることへの抵抗がある摂食障害者にとっては食べることはストレス。




ストレスがかかる→交感神経が働く→胃の働き抑制
→消化不良→吐きたくなる











◇ストレス→胃腸不快→摂食障害




ストレスを感じると
交感神経が働く
胃腸の働きは抑制される。


アドレナリン、ノルアドレナリンコルチゾールなどの興奮物質が出されて
セロトニンが興奮を抑えるために出動する(セロトニンが減る)



副交感神経が健全に働かず、胃腸の動きが悪くなる→
胃腸の不快→太りやすくなる→不快感も体重増加も防ぐ=過食嘔吐は最高の武器!!







■デリケートな胃腸はストレスに弱い


内臓は自律神経の命令に沿って動いていて、
私たちが眠っていても、体温や血圧を一定に保つなど、
しっかり仕事をしてくれるようになっています。


胃や腸など消化器官の働きも同じです。


自律神経には、交感神経と副交感神経がありますが
胃や腸は副交感神経によってコントロールされており
この神経が活発になると蠕動運動が順調に行われ、排便などがスムーズに。




逆にストレスや緊張、過労、睡眠不足によって自律神経の働きが乱れると
腸の働きは鈍くなり、便秘や便秘と下痢を繰り返したりするようになる。




自律神経の交感神経(活動の神経)が活発なときは
内臓の活動は抑制され、副交感神経(リラックスの神経)が優位になると
内臓はせっせとはたらき、
食べ物を消化吸収してくれるようになってきます。


ところが、ストレスや緊張が長時間続くと、自律神経の調整機能がヒートアップして
交感神経が優位であるにもかかわらず
内臓も休むことなく活動を続けるといった事態に。


そんな自律神経のアンバランスがすばやく、
そして顕著に出やすいのが胃。


どんどん消化活動をしようと胃酸をせっせと出す一方で、
ストレスのため胃の粘膜を守る粘液の分泌力が減って、
胃壁が胃液にやられて、胃炎や胃潰瘍にかかわってしまうというわけです。


好きなことに没頭したり、悩み事は友達に話したり
胃に来る前にストレス発散を!








■ホルモンが、からだのはたらきを調整する

自律神経とともに各器官に作用して、機能を調整する物質に
ホルモンがあります。
ホルモンとはギリシャ語で、「刺激する」「目覚めさせてくれるもの」
という意味。


ホルモン分泌の総指揮は
自律神経と同じ脳の視床下部で行われますが
不安や怒り、恐怖、快適、不安などの感情を司る扁桃体と接近しているため
ホルモン、自律神経、感情は、お互いに影響を受けやすく、
不規則な生活や強いストレスによってバランスを崩しやすい面があります。



たとえば、自律神経のバランスが崩れて交感神経が続くと、リンパ球が減少して
免疫システムが低下したり、顆粒球(白血球の一種)が増えて病気を招いたりします。


睡眠障害や過食のようなトラブルを引き起こすこともあります。












■脳腸相関




視床下部→自律神経→腸




腸の働きは自律神経がコントロールしているため、
ストレスを強く感じると腸の働きに影響を与えて便秘や下痢になってしまいます。


なぜなら、自律神経は脳の視床下部という部分がコントロールしており、
ストレスという刺激が視床下部から脊髄を通って腸に伝わり、
おなかの調子が悪くなるからです。
また、おなかの具体が悪いときは
集中力が低下したり、元気がなくなったりします。


それは、腸の感覚神経の「調子が悪い」という情報が脊髄を通って脳に届き
情動を司っている大脳辺縁系に働きかけ
「気分が悪い」という感覚となって自覚しているからです。



















◇まとめ




■症状はストレスの表れと理解する



大体の心の病気や身体の病気は
症状がストレス度を現す機能を持っています。
喘息もちの人は、ストレスが高まると発作がひどくなる傾向にありますし
アトピー性皮膚炎の人は
ストレス状況下で皮膚症状がひどくなる傾向があります。


摂食障害もまさに同じです。
ストレスがたまると摂食障害が発症します。
そして、その後の経過も、
ストレスによって大きく左右されます。







■どうせ治らない…から抜け出す


人間の自己防御力はよくできたもので
かなりストレスのある環境でもそれなりに適応してしまう。
摂食障害という病気になることで
自分のバランスを保っていると言える。そして、治るというのは
その「バランス」を崩すことに他なりません。


変化にはストレスがつきもの。
どんなに不健康なバランスであっても
そのバランスを一度崩して変化させていくことには
覚悟が居る。


身体は正直にできています。
病気の症状が「このままではダメだ」ということを
繰り返し知らせてくれているのです。
ですから、思い切って、
今の不健康な「安定」に見切りをつける必要があります。












◇エピローグ





過食嘔吐→大満足→人生崩壊




目には見えない身体のなかでは、続く緊張から起こる胃の炎症や腸の活動の停滞、
冷え性やストレスが原因の血行不良や自律神経の乱れ、また、新陳代謝や免疫力の低下が
進行しているかもしれません。


内臓が疲れてくると、食欲がなくなる、イライラするまど、
なにかしら、すっきりしないものを抱えることになる。





消化を防ぐ(体重増加恐怖)+胃腸の不快感も流せる



過食嘔吐→大満足→人生崩壊