ダイエットに夢中になる人は「現在」を生きていない





「痩せたがり」は未来志向です。
「もっと痩せなければ、太ったらどうしよう」などは
いずれも未来志向の考え方です。



それは結果として
「現在がなくなる」ということに繋がっていきます。








■「やせたがり」は未来志向


たとえば、
摂食障害になるとこの傾向は顕著になり
自分が何が食べたいのかも、自分が疲れているかどうかも
すっかりわからない、というような状態になります。

こうなってくると、「現在の自分」が
「未来の自分」にのっとられているということになります。
未来による現在ののっとりです。




「痩せさえすれば」と思うことで
現在の有意義な活動が全て止まってしまいます。



また、未来志向の問題点は
現在の否定を前提としていると言うところにもあります。



「痩せたい」と思うのは「今の痩せていない状態はだめだ」
と感じているからです。



大学生の瞳さんも「痩せさえすれば○○ができる」という未来ばかりを見るため
現在の自分の身体にどうしてもネガティブな視線を向けがちでした。
ダイエットに成功していた時代ですら、
「この体型を失ったらどうしよう」と「未来」を見ていました。



だから、現在を楽しむことが出来なかったのです。

■ダイエット優先の生活で失うもの



食べ物はただ栄養のために取っているだけでなく
人生における大きな楽しみの一つなのですが
ダイエットが生活を支配すると楽しみとしての食はなくなってしまう。
それどころか、食事=カロリー摂取=苦痛となってしまって、
苦悩の時間が一日に3回訪れることになる。


いつも「これを食べても太らないだろうか」という事ばかり考えて
食べていると「おいしい」という感覚も分からなくなる。



あるいは、
いつも栄養が足りずに空腹でいると
「お腹がすく」というリズムがわからなくなります。
また、本当に空腹なのか、単に精神的に満ち足りていないのか、ということが
わからなくなる。


運動についても
痩せるかどうか?ばかりが気になって
運動そのものはただの疲れる行為として扱われることになり
楽しんだりリラックスして汗を流す、友人とのコミュニケーションという解釈が抜け落ちてしまう。


入浴にしても
「どれだけ汗を出して痩せるか?」ということだけに
集中してしまう。


そして何より、ダイエットを優先させることで自分自身が大きな影響を受ける。
自分自身に対する評価は「痩せたか太ったか」だけで下さるようになる。
この傾向が強くなると摂食障害に。
















◇処方箋としてーー人との間に生きる人生を






■今を生きる



未来のことばかり考えていませんか? お金持ちになったり、ダイエットに成功したり、
大好きな人と結婚したり、今より良い仕事に就いたりした時に、どんな素晴らしいことが起きるだろうと考えていませんか? 
それとも、過去に捕らわれていませんか? したことやしなかったことについて後悔していませんか?なぜ最も重要である「今」を生きないのですか?


考えてみてください。「現在」こそが、わたしたちが本当に持っている全てです。今を生きる最善の方法は、
現在の行動に意識を集中させることです。心理学者のウィリアム・ジェームズは
「わたし自身が注意を払うことに同意したものが、わたしの経験になる」と書いています。






■人に親切にする


 幸せになるための究極の秘訣は、人に親切にすることです。無理をしてでも人に親切にすると、
いい気分になり、罪悪感や精神的苦痛などネガティブな感情を打ち消すことができます。
親切にすると、すぐに前向きな気持ちが沸き上がって来ます。親切心を育てるための1つの訓練は、
ボランティア活動に参加することです。これ以上有意義な時間の使い方はないでしょう。









■人付き合いを持つ


「人を求める人は、世界で一番幸運な人だ」というものです。
心理学者も、社会に参加したいという欲求は、
あらゆる人にとって最も強い原動力の1つであるという考えに同意しています。
幸せになるには人と付き合う必要があるのです。人と関わりを持つ時間を作りましょう。