あなたの大切な人が拒食症になったら ペギー・クロード=ピエール 田村明子訳  新潮社

あなたの大切な人が拒食症になったら

あなたの大切な人が拒食症になったら













当時私には身体のどこにも生きる望みなど残ってなった。
他人に迷惑をかけるほど意味のない人生を中断することに何の後悔の念も持っていなかった。


自分を飢えさせることで少しマシな人間になった気がしていたが、
本当に欲していたのは自分を消滅させるだけの強さだった。
だから、肉体的にも精神的にも自分を痛め続けたのだった。


人生そのものが嫌いで
目標は死ぬことだけでした。
そして、唯一の友達は体重計でした。
ただ、たとえ減っている数値をみても
満足など感じませんでした。


拒食症に飲み込まれ、拒食症は私のアイデンティティそのものでした。
私の日常は拒食症が作り上げた厳しい規則に満たされていて、
行動全てにおいてコントロールされていた。


情緒不安定で
落ち込んでおり、
家族や世間から孤立していた。
他人が信じられず、人生も人も怖かった。
他人から期待されていると思い込んでいる理想像は非現実的なほど高く
常にそれを試みては失敗をしていたため、
誰かも愛される資格など無いと信じていた。
私は何でも完璧にこなさなければならないと思い込んでいて
いつも挫折し、
他人に居られることばかり心配していた。



条件を満たさないと存在していいという感覚が得られない。
ただし、どれだけの条件を満たそうとも、すぐにすりぬけてしまうため、
絶えず条件を満たさなければいけなくなる

必ずしも条件を満たせる自分になれるわけではないので、激しく落ち込む。
なぜなら、満たせないのなら、存在価値がゼロなのだから








本当は、生きるエネルギーというのは
自分の身体を破壊することではなく
何かをやり遂げるために向けられるべきなんだよね。